私たちが毎日飲んでいる水は、見た目が透明で異臭がなくても、必ずしも安全とは限りません。
水道水や井戸水には、地域の環境や配管の状態によって、不純物や細菌、化学物質が混入する可能性があります。
特に、井戸水を使用している場合は、水道水のように定期的な管理が行われていないため、自分で水質をチェックし、安全性を確保することが大切です。
飲料水の水質検査を行うことで、水に含まれる成分や有害物質の有無を確認し、安心して飲める状態かどうかを判断できます。
また、水質は時間の経過や環境の変化によって影響を受けるため、一度の検査だけでなく、適切なタイミングで繰り返しチェックすることが重要です。
この記事では、飲料水の水質検査が必要な理由や、検査でチェックする項目、水質検査の頻度・タイミングについて解説します。
自宅や施設で利用している飲料水の安全性をしっかりと確認し、安心して毎日の生活を送るために、ぜひ参考にしてください。

飲料水の水質検査とは?
飲料水の水質検査とは、水が安全に飲める状態であるかを確認するための検査です。
水には、目に見えない細菌や化学物質が含まれていることがあり、これらが基準値を超えると健康被害を引き起こす可能性があります。
水質検査では、水に含まれる成分を詳しく調べ、適切に管理されているかを確認します。
飲料水の水質検査の対象となるのは、水道水だけではありません。
井戸水や地下水、給水タンクを利用する建物の水なども検査を行う必要があります。
特に、施設や集合住宅では貯水槽の管理状態によって水質が変化するため、定期的に検査することが重要です。
また、万が一、基準値を超える有害物質が検出された場合は、適切な対策を講じることが求められます。
水は私たちの健康に直接関わるものだからこそ、継続的な検査と管理が欠かせません。
◯飲料水の水質検査が必要な理由
日本では、水道水の安全性を確保するために「水道法」に基づいた水質基準が設けられています。
水道事業者はこの基準に沿って定期的な検査を実施し、安全な水の供給を維持しているのです。
しかし、井戸水や地下水を利用する場合は、水道事業者による管理の対象外となるため、利用者自身が水質検査を行う必要があります。
また、建物の配管設備や貯水槽が古くなっていると、水道水であっても水質が変化することも。
たとえば、錆びた配管から金属成分が溶け出したり、貯水タンク内で細菌が繁殖したりするケースも考えられます。
このような状況では、見た目や味に変化がなくても、検査によって初めて問題が発覚することも少なくありません。
さらに、災害時には水源が汚染されるリスクも高まります。
大雨や地震の影響で地下水が混濁したり、配管が破損したりすると、安全な飲料水の供給が難しくなる可能性があります。
こうしたリスクを未然に防ぐためにも、定期的な水質検査が重要です。
飲料水の水質検査におけるチェック項目
水質検査では、細菌や有害物質の有無、化学物質の濃度など、さまざまな項目がチェックされます。
これにより、飲料水として安全に利用できるかどうかが判断されるのです。
ここでは、水質検査の主なチェック項目について詳しく解説します。
◯一般細菌と大腸菌の検査
飲料水に細菌が含まれていないかを確認するため、一般細菌と大腸菌の検査が行われます。
細菌や大腸菌が水中に存在すると、感染症の原因となる可能性があります。
特に、井戸水や貯水槽を利用している場合は、周辺環境の影響を受けやすいため、定期的な検査が必要です。
一般細菌の基準は、1ミリリットルの水中に形成される細菌の集落数が100以下であること。一方、大腸菌は健康へのリスクが高いため、わずかでも検出されてはいけません。
◯重金属や化学物質の検査
水には、ごく微量ながら金属や化学物質が含まれることがあります。
飲料水の安全性を確保するために、水銀・鉛・ヒ素・カドミウム・六価クロムなどの有害な重金属の濃度も検査対象です。
たとえば、鉛の基準値は0.01mg/L以下、水銀は0.0005mg/L以下と定められており、わずかでも基準値を超えると健康被害のリスクが高まります。
◯塩素や消毒副生成物の検査
水道水は、細菌の繁殖を防ぐために塩素消毒が行われています。
しかし、塩素が水中の有機物と反応すると、トリハロメタンや臭素酸といった消毒副生成物が発生する可能性があるのです。
水質検査では、総トリハロメタンの濃度が0.1mg/L以下、臭素酸が0.01mg/L以下など、各基準値が設定されています。
◯pH値や濁度・色度の検査
水の性質を評価するために、pH値や濁度・色度の検査が行われます。
酸性やアルカリ性が強すぎる水は、配管の腐食や健康リスクの原因となる可能性があるからです。
pH値は5.8以上8.6以下であることが基準となっています。
また、水が濁っていたり、異常な色がついていたりすると、安全性に問題があると判断される場合があります。
濁度は2度以下、色度は5度以下が基準とされており、異常が見られた場合は水源や給水設備の点検が必要です。
◯味や臭気の検査
飲料水は、見た目だけでなく、味や臭いにも異常がないか確認する必要があります。
水道水には微量の塩素が含まれており、特有の臭いを感じることがありますが、異常に強い場合は配管の問題や水質の変化が原因です。
また、鉄やマンガンなどの金属成分が多いと、金属臭がすることもあります。
味や臭気の基準は「異常でないこと」とされており、明らかに違和感がある場合は、専門機関で水質検査を受けるのが望ましいでしょう。
◯その他の検査
水道法第4条の規定で、水道水は51項目について水質基準が定められています。
どれも安全な飲料水を実現するために不可欠なものです。
詳しくは下記のページをご覧ください。
水質検査の頻度とタイミング
水質検査の頻度とタイミングは、水の供給源や用途、関連法規によって異なります。
一般的に水道水の場合、水道事業者は水道法に基づき、毎日・毎月・四半期ごとに異なる項目の検査を実施することが義務付けられています。
毎日の検査では水の色や濁り、残留塩素を確認し、毎月の検査では一般細菌やpH値などの9項目をチェック。さらに、四半期ごとに水質基準の全項目について詳細な検査を行う必要があるのです。
また、ビル管理法の適用を受ける特定建築物では、7日以内ごとに遊離残留塩素の測定、半年ごとに一般細菌や大腸菌など16項目の検査、年に1回は消毒副生成物の検査が必要とされています。
一方、井戸水や地下水などの自家水源を利用する場合は、自治体の指導に従い、年に1回以上の水質検査が推奨されます。
特に、大雨や地震などの災害後や、水の色や味に異常を感じた際は、速やかに検査を行いましょう。
飲料水の水質検査を依頼するには?
飲料水の水質検査を依頼するには、まず検査を実施している機関を選ぶ必要があります。
水道水の検査であれば、水道事業者や自治体が案内する機関を利用でき、井戸水や地下水の検査は厚生労働省の指定機関や、民間の検査会社に依頼可能です。
依頼する際は、検査項目や料金、検査方法を確認し、必要な検査を選択します。
水質基準全般を調べる総合検査のほか、特定の有害物質や細菌のみを調べる簡易検査もあります。
検査の際には、水を採取する容器や採取方法に指定があるため、事前に指示を確認し、適切に採取することが重要です。
また、検査結果が基準値を超えていた場合は、すぐに対策を行いましょう。
自治体の相談窓口や専門機関に問い合わせ、安全な水を確保するための対応を進めます。
まとめ
安全な飲料水を確保するためには定期的な検査が必須です。見た目に異常はなくても、検査で重大な問題が見つかることも少なくありません。
特に地方自治体の管理していない井戸水や貯水槽を利用している場合は、専門機関に依頼して定期的なチェックを行いましょう。
当社でも飲料水の水質検査を承っております。検査結果の説明や改善のご提案もさせていただきますので、ぜひ気軽にお問い合わせください。
Comentários